Pede dienes コーヒーミル No.461 分解清掃

 分解清掃をしていきます。

その前に、このタイプのコーヒーミルをお持ちでない場合、初見で分解清掃を始めると壊してしまうリスクが高いです。

整備済みの品物でも筒の歪みなどありますので注意が必要です。

現在でもザッセンハウスのハバナと言う似たタイプのモデルが購入出来ます。

こちらのモデルを分解して勘所を掴んでから行うことをおすすめします。

作られてから時間が経過した物は、金属が割れやすくなっています。

新しい物は金属にしなやかさがありますが、100年も経ちますとしなやかさ失われ、下手に力を加えるとパリパリと割れが進んでしまいます。

より一層、注意して作業をする必要があります。


前置きが長くなってしまいました。

今回のコーヒーミルは筒の状態が非常に悪くクラック多数みられます。

割れの進行を防ぐ為、テープで巻いておきます。

特に色々な部分が固着している場合、力を強く加えなければならず、少しのクラックでも念のためテープで巻いておくことをおすすめします。


まずは粒度調整ネジを外します。

今回は見るからに想像出来ますが、もちろん手では回りませんでした。

色々と外し方がありますが、今回はプライヤーで回していきます。

ウォーターポンププライヤーを使うとネジが滑らずに外すことが出来ます。

ゴムを巻くなど工夫して外すことが出来れば無傷で外せます。

本当に硬い時はプライヤーを直接ガッチリと噛ませないと外れませんが、ほぼこのプライヤーで外せるかと思います。

バネもガッチリとネジと固着していますね。

これは後でゆっくり掃除していきましょう。


次が一番の難所です。

ここで壊してしまう人が多いです。

筒から歯を外します。

歯は豆の投入口から引き抜きます。

側面にネジで止められていますので外します。

ネジの溝が埋まっている事が多いです。

先ずはネジの溝を掃除してください。

溝が浅いとネジ頭をなめてしまいます。

このネジはなかなか入手出来ませんので注意してください。

溝が綺麗になったら、ドライバーを確りと押し付けネジを外していきましょう。

固着や筒に凹みがなければ、ネジを外すとスルッと上から歯を引き抜く事が出来るかと思います。

どうでしょうか?

外れた方。おめでとうございます。

外れない方、これからが本番です。頑張りましょう。

何回も言いますが、下手な方向に力を加えると取り返しがつかなくなります。

引き返すならここです。コーヒーを飲んでゆっくり考えましょう。笑


さて、外れない方。

原因は主に2つあります。

1つはコーヒーカスがカチカチになって固着している。

もう1つは、筒に歪みがある。

そして、それらが複合しているタイプ。

筒の歪みや凹みが酷い場合、無理に引き抜くと元に戻せなくなります。

場合によっては筒がぱっくりと割れてしまいます。

こうなってしまうとお仕舞いです。

粒度調整は出来る様にはなっているかと思います、実用として使えますので、筒の歪みが酷い品物はここまでにしておきましょう。


固着している方。

今回はちょっとした衝撃を与えて固着を外していきましょう。

用意するのはプラスチックハンマー。

工具の取り扱いに馴れているならば、ドライバーの柄でも良いですがプラスチックハンマーの方がやり易いです。

粒度調整ネジがついていた部分を上にして、プラスチックハンマーで真っ直ぐにトントンと軽く叩きます。

その際に筒をぎゅっと握ってしまうと叩いても歯が下がりませんので軽く握って下さい。

どうでしょうか?動きましたか?

側面のネジ穴をみると動いたか判断しやすいです。

穴がずれていれば動いています。

動いていなければ先程より少し力を加えて行くのを繰り返して下さい。

逆側のハンドル側からも少しトントンと衝撃を与えたりしても固着が外れる事もあります。

どうでしょうか、少し動きましたか?

強めの力を加えても全く微動だにしない場合で筒に歪みがみられない場合、かなり強く固着していると思われます。

今回はここまでにして実用していきましょう。

実用することで豆を挽くときの振動やコーヒー豆由来の油で固着が外れやすくなる場合があります。

暫く使ってから同じようにメンテナンスすると固着が取れる事もあります。

諦めずに長い目でみていきましょう。


動いた方。

実はここからが大変です。

固着した原因となっているコーヒーカスがカチカチになって、筒や歯にこびりついています。

そのままトントンと押し込んで行くとカスも押し込んで逆に動かなくなってしまう事があります。

動きが悪くなってきたらそれ以上押し込むのはやめましょう。

少しコツがありまして中のメカと筒を逆方向に少し回します。

すると固着していたカスが筒や歯等から少し剥がれ落ちてきます。

ここまで来たら確実に分解できますので、ここは急がずに気長にやっていきましょう。

コンコンコン。グルグルグル。

繰り返して行くと軽くなり、スルッと外せるかと思います。

お疲れ様でした。

本番はここからです。笑

カチカチのコーヒーカスを落としていきます。




写真の様に固着が酷いと物凄く大変です。

お湯に食器用洗剤を入れて漬け込みます。

金ブラシ、竹串、ヘラ等を駆使して、綺麗に掃除していきます。

お湯で弛んだ表面を削ってはお湯に漬け込みを繰り返します。

綺麗になったらドライヤーを使い短期間で熱風乾燥します。

自然乾燥ですと時間がかかり錆が出る場合もあるので、ドライヤーをおすすめします。


綺麗になりましたね。


組み付けは説明するまでもないですね。

嘘みたいにスルッと入ります。笑


固着していたので気がつきませんでしたが、組み付け時に気がつきました。

ネジが1つ違う~。悲

ネットで探して注文。

これです。

現行のザッセンハウスのハバナはこのネジではないので間違えて購入しないでくださいね。

古い年代の同タイプはこれで行けるかと思います。

ただ、当時のネジ穴は精度が悪いので、ダイス代わりに何回かネジ穴にネジを入れたり出したりしてネジ切りします。

真鍮の方が柔らかいので良い感じにネジが削れてしっくりきます。


ハンドルや筒をコンパウンドで磨きます。

内部はコーヒーが金属臭くなるので磨きません。

インテリアとして扱うなら磨いてしまっても良いかと思います。




とっても綺麗になりましたね。

まだ引退には早いですね。

頑張ってもらいましょう。


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